ホーム > インプラントの保証は?
歯周病の原因は細菌感染だということは、みなさんがご存知のことと思います。歯周病は、悪化すると歯を支える組織が破壊されて、大切な歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。虫歯と並んで「歯を失う二大原因」といわれているほど、多くの方が歯周病によって歯を失っています。
歯周病を放っておくと、歯周病原細菌による炎症が周囲に広がっていくことから、歯周病で抜歯した場合、「インプラント治療は受けられないのでは?」と懸念される患者様が多くいらっしゃいます。
しかし、歯周病で歯を失った場合、必ずしもインプラントができないというわけではないことから、歯周病でお悩みの患者様に、インプラント治療についての正しい知識を身につけていただくために、治療や注意点について解説していきます。
歯周病の治療をきちんと受けていない患者様には、基本的にインプラント治療はおすすめできませんが、適切な歯周病治療が行われている患者様にとっては、入れ歯やブリッジよりも効果的な治療法だといえます。
歯周病を発症していると、全体的に骨レベルが低下しているため、周囲の残存歯が部分入れ歯やブリッジをしっかりと支えることができません。それに対して、インプラントは単独で植立することが可能なため、残存歯に余計な負担をかけずに欠損部分を補うことができるのです。
ただし、インプラントの治療後は、残存歯の細菌感染が起こりやすいため、治療前にお口の中の細菌をできるだけ減らす必要があります。また、歯周組織の破壊によってインプラントの埋入が難しくと判断された場合は、通常の埋入手術に加えて、骨造成や歯肉移植が必要になる場合があります。
歯周病の患者様がインプラント治療を受ける場合、通常の治療にはないリスクを伴います。特に、次のような5つの点には注意が必要です。
歯周病によって骨吸収が進んでしまっている場合、骨量不足からインプラントを埋入する位置が制限されるほか、骨吸収によって歯肉退縮が起こると、埋入したインプラントが露出して見た目が悪くなってしまいます。また、細菌感染している残存歯があると、健康な他の歯に歯周病がうつってしまう可能性があります。
さらに、歯周病の場合、インプラントに装着する人工歯が大きく張り出した形状になりやすいため、歯磨きがしにくくなることがあります。それにより、プラークコントロールが不十分になると、インプラント体が細菌に感染する「インプラント周囲炎」を引き起こすことがあります。
骨に埋め入れたインプラント体が歯周病原菌に感染することにより、周囲の組織で炎症が起こることをインプラント周囲炎といいます。歯磨きが不十分な場合、インプラントの周囲の歯垢(プラーク)が溜まるため、その中で繁殖した細菌が出す毒素によって、歯周組織が炎症を起こすのです。
インプラント周囲炎が悪化すると、歯周病と同じようにインプラントを支えている骨組織が破壊されてしまうため、うまく骨と結合できずに、そのまま抜け落ちてしまいます。
インプラントは、入れ歯やブリッジに比べて寿命が長いことで知られる治療法です。しかし、何もせずに放っておいては、長く使い続けることはできません。特に、次のようなことに気をつけて、治療を受けていただくことが大切です。
治療を受ける前、歯科医から治療内容ついて十分な説明を受けて、インプラント治療とはどのようなものか、どのようなリスクが予想されるのかを正しく理解する必要があります。また、インプラントのリスクファクターとなる、喫煙習慣や糖尿病のような全身疾患がないかを確認し、必要に応じて改善のための指導を行っていきます。
当院では、ご自身の歯周病の状態を把握し、自己管理につなげていただくために、患者様への分かりやすい説明を心がけています。
インプラントの寿命を延ばすために、欠かすことができないのが歯科医院で行うインプラントのメンテナンスです。定期的に受診していただき、歯肉の腫れや出血、インプラントのぐらつきなどの目視チェックのほか、レントゲン検査や歯のクリーニングなどを行うことで、インプラント周囲炎を未然に防ぎます。
また、ネジの緩みや噛み合わせが合わない状態を放っておくと、インプラントの脱落につながることから、メンテナンスでしっかりチェックします。
歯周病の患者様は、交差感染やインプラント周囲炎を防止するために、プラークコントロールをしっかり行う必要があります。そのため、当院では通常の歯ブラシだけでなく、デンタルフロスやタフトブラシ、歯間ブラシなどを使った正しいプラークコントロールの方法をご指導しています。
また、メンテナンスの際に定期的に歯磨き指導を行うことで、患者様のプラークコントロールの技術向上をサポートします。
インプラントの必要性やインプラント以外の選択可能な治療法をご説明し、
患者様一人ひとりに合った治療法をご説明致します。
インプラントを強制するものではなく、多角的な角度からインプラントが必要かを見極め、
患者様に納得のいく治療法をみつけていただきたいと願っています。
※CT撮影を行い、費用のお見積りも致します。